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歯科コラム

歯列矯正で歯茎が下がる「歯肉退縮」について|原因と予防法、対処法を歯科医師が解説

こんにちは。

三重県四日市市久保田の歯医者【四日市くぼた歯科・矯正歯科】です。

 

成人の方が歯列矯正をする場合、副作用によって歯茎が下がる(歯肉退縮)リスクがあることをご存知でしょうか。

これから歯列矯正を考えている方に向けて、本コラムでは、歯列矯正のメリットとともに矯正で歯茎が下がって見える歯肉退縮についての原因や予防法、対処方法などについてまとめて解説します。

 

矯正治療で歯茎は下がる?

矯正治療中に痛みを感じる原因は、おもに4つあります。

それぞれ詳しくご説明します。

 

歯列矯正を検討されている方の中には、「歯並びはよくなるけれど、歯茎が下がる」と聞いたことがあるかもしれません。

実は歯茎が下がってしまうのには、日本人だからこその歯や歯茎のつくりに関係があるのです。

 

日本人は、欧米人に比べて矯正治療によって歯茎が下がりやすいことがわかっています。

多くの日本人は、生まれつき歯肉と骨が薄く、歯を動せる範囲が狭く歯茎が縮小しやすいためです。

このような現象を歯肉退縮といいます。

 

歯茎の退縮には、歯肉の厚みと歯槽骨が大きく関係していることもわかっています。

歯茎が薄い成人の矯正治療では、事前に歯茎を厚く丈夫にする処置を検討することが望ましいです。

 

歯肉退縮とは

歯肉退縮とは、次のような状態を指します。

 

  • ・歯の周りを覆っている歯周組織または歯茎が下がる
  • ・歯周組織や歯茎がなくなり歯根が露出している
  • ・歯が長く見える
  • ・歯と歯の間に空隙ができる
  • ・口元が痩せて見える

 

前歯などの歯並びが整う際に、歯と歯の間に三角状の隙間がいくつもできることがあります。

黒い三角の隙間になることからブラックトライアングルといわれています。

 

とくに歯周病の既往歴がある場合は、もともと歯茎が下がっていることが多く、矯正治療を行うことでそのリスクがより高くなります。

また個人差はありますが、歯肉の状態によって前歯ではなく他の部位に現れることもあります。

 

歯肉退縮の原因

歯列矯正による歯肉退縮の原因は主に5つあります。

一つひとつ詳しく見ていきましょう。

 

歯槽骨が薄い

歯槽骨は、歯と歯を支える働きを持っています。

体の中にある骨は、骨折したりひびが入ったりしても元通りに修復しますが、歯槽骨は通常の骨とは異なり元に戻りません。

虫歯によって溶けてしまったり治療で削ってしまったりした場合は、人工で埋めない限り失われた状態のままとなるのです。

 

歯周病によって、歯槽骨が薄くなっている場合もあります。

それ以外にも嚙み合わせが悪いことで自然に削られている場合もあります。

 

歯周病

ブラッシングが不十分であるなどの原因により、口腔衛生が悪化すると歯周病になったり歯周病が重症化したりすることがあります。

歯周病になると、歯槽骨が溶かされ歯槽骨を覆う歯肉も下がってしまうのです。

 

口腔内が不衛生になっている

治療中に使用しているマウスピースやリテーナーがある場合は、衛生管理が重要になります。

使用するときの注意を守り、飲食時は取り外すなど清潔に保つことが大切です。

治療用具に付着した細菌によって口腔内に炎症が起きると歯肉退縮の原因になります。

 

また、普段の歯磨きが十分でないことで歯垢や歯石が付着して歯周病になることもあります。

虫歯によって歯槽骨が溶けてしまうことも歯肉退縮の原因となるため、口腔内を清潔に保つようにしましょう。

 

過度なブラッシング

口腔内を清潔に保つことは大切です。

ただ、力任せにブラッシングすることで歯茎を傷つけてしまうと炎症につながります。正しいブラッシング方法を知って実践するようにしましょう。

 

歯肉退縮のリスク

歯肉退縮になると、以下の4つのリスクが考えられます。

 

  • ・見た目
  • ・虫歯
  • ・知覚過敏
  • ・歯周病の悪化

 

歯肉退縮によって、歯茎が下がると口元が痩せて見えます。

それ以外にも、歯茎下がることで歯根がむき出しになるため、虫歯や歯周病の悪化リスクが高くなるのです。

 

知覚過敏は、歯肉退縮によるリスクとしてもっとも大きいものといえます。

象牙質が直接、冷たいものや熱いものに触れるため、強い痛みを感じる場合があります。

食事の度に痛みを感じる場合には、治療も必要になります。

 

歯肉退縮の予防法

歯肉退縮を避けるためにも予防法を知ることが大切です。

日常生活や食事に気を付けることで、歯肉退縮のリスクを軽減することができるでしょう。

 

歯周ポケットのクリーニング

歯茎が下がるのも、歯が抜けてしまうのも、歯周病が原因です。

日頃の歯磨きで、口腔内を清潔に保つことは大切ですが、歯と歯茎の間、歯と歯の間を清潔に保つことが歯周病予防にはもっとも効果的です。

ブラッシングだけではなく、フロスなどを使って歯周ポケットをクリーニングしましょう。

 

ビタミンを取り入れたバランスのよい食事

ビタミンには、歯肉退縮の軽減に役立つ働きを持つものがあります。

 

例えば、ビタミンAは皮膚や粘膜を正常に保つ働きがあります。

またビタミンCは、歯肉の成分に必要なコラーゲンの合成に欠かせない栄養素です。

それ以外にも、ビタミンB群は細胞の再生やエネルギーの回復に必要になります。

これらのビタミンを取り入れたバランスのよい食事により免疫力を高めることは、歯肉退縮のリスクも低くしてくれるでしょう。

 

血流をよくする

新陳代謝を上げ、体調をうまくコントロールすることができれば血流がよくなります。

また、血流がよくなると免疫力も高くなるため、細菌への抵抗力もつきます。

 

さらに喫煙習慣がある場合は、禁煙することで血中酸素濃度を正常に保つことも期待できるのです。

タバコには血流を悪くさせる成分が含まれているため、禁煙ができなくても少しずつ量を減らしていきましょう。

 

歯肉退縮の対処法

矯正治療後に歯肉退縮が起きた場合、歯茎の再生処置をする方法があります。

 

歯肉退縮の進行を止めることは可能ですが、自然治癒することはありません。

そのため、上顎などの部分から歯肉を移植する歯肉移植という方法で対応します。

 

また、歯肉退縮によって起こる知覚過敏の症状を抑えるために、知覚過敏用の薬を塗布する処置があります。

どちらの場合もセルフケアができないため、歯列矯正を行なった歯科医院か専門医に相談するとよいでしょう。

 

まとめ:歯茎が下がる歯肉退縮を防ぐ予防的矯正治療は当院にご相談ください

歯列矯正には歯並びを美しくするだけではなく、歯とお口の健康を守るさまざまなメリットがあります。

歯茎が下がる歯肉退縮を防ぐためには、予防的矯正治療を検討し事前に対策をしておくことも方法の一つです。

 

四日市くぼた歯科・矯正歯科では、歯肉退縮などのリスクを防ぐ予防歯科を軸にトラブルを予防する予防歯科の観点から治療をご提供しています。

歯並びは整えたいけれど、歯列矯正に不安があるなどのお悩みにも対応しております。ぜひお気軽にご相談ください。

 

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